床材に迷ったら、紙製の床材か、広葉樹のチップを選び、数cmの厚さで敷くところから始めると大きく外しにくくなります。
どちらも粉じんや刺激が比較的少ないとされ、ハムスター用として基本の選択肢によく挙がる素材です。
ただ、においの吸い方や、掘ったときのトンネルの崩れにくさ、値段は素材ごとに違います。
くしゃみが出やすい子、掘るのが大好きな子、飼い主に牧草アレルギーがある家など、条件によって向く素材は変わります。
床材と巣材は役割が違う
ケージの床全体に敷くのが床材で、巣箱の中に運び込まれて寝床になるのが巣材です。

床材は、足元のクッション・おしっこの吸収・掘って遊ぶ場所の3つの役目を一度に担っています。
巣材は、ハムスターが自分で口にくわえて運び、丸めて寝床を整えるための柔らかい素材です。
紙製の床材や、細く裂いた紙を巣材として使うことも多く、同じ素材を床材と巣材に兼用しても困ることはほとんどありません。
綿のような巣材は避ける
巣材で気をつけたいのは、ふわふわした繊維状の素材です。
新聞紙やチラシは、インクが毛に色移りすることがあると注意される素材です。
素材ごとの違いを比べる
ハムスター用としてよく売られている床材は、紙・広葉樹のチップ・針葉樹のチップ・牧草の4種類に大きく分かれます。

| 素材 | 粉じん・刺激 | においの吸収 | 掘りやすさ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|---|
| 紙製(ペーパーチップなど) | 少ない | 吸水性が高いものが多い | 軽く、トンネルが崩れやすいものもある | 色付き・香り付きは避ける |
| 広葉樹のチップ(ポプラ・アスペンなど) | 少なめ | ほどほど | 繊維がからんで穴を掘りやすい | 細かい木くずが多い製品もある |
| 針葉樹のチップ(マツ・スギなど) | 木の香りの成分が刺激になることがある | においを抑えやすい | 掘りやすい | スギ・ヒノキは避け、熱処理された製品を選ぶ |
| 牧草(チモシーなど) | 細かい粉が出ることがある | 吸水はやや弱い | ふかふかで巣作りに使いやすい | 食べることがある、人のアレルギーの原因になることがある |
紙製は刺激が少なく、体調の変化にも気づきやすい
紙製の床材は、粉じんが出にくく、肌への刺激も少ないとされる素材です。

けがをしたあとや体調を崩したときの床材としても使われるほど、扱いがやさしいのが特徴です。
白っぽい色の製品が多いので、おしっこの色や量、血が混じっていないかに気づきやすいのも見逃せない利点です。
軽いぶん、掘ったトンネルがすぐ崩れることがあり、穴掘りが好きな子には少し物足りない場合があります。
広葉樹のチップは掘る楽しみがある
ポプラやアスペンなどの広葉樹のチップは、針葉樹に比べて刺激が少ないとされ、ハムスター用として広く売られています。

繊維が適度にからむので、掘ったトンネルが崩れにくく、巣穴を作る行動を引き出しやすい素材です。
製品によっては細かい木くずが多く混じるので、袋を開けたときに粉っぽさがないかを見ておきます。
針葉樹のチップは選び方に注意が要る
マツやスギなどの針葉樹のチップは、値段が手ごろで、木の香りでにおいを抑えやすい素材です。

一方で、その香りの成分が呼吸器や皮膚の刺激になることがあると言われています。
特にスギやヒノキのチップ・おがくずは避けるのが無難とされます。
針葉樹を使う場合は、刺激を抑えるための熱処理がされた製品を選ぶのが一般的です。
牧草は巣作り向きで、床全体には使いにくい
チモシーなどの牧草は、ふかふかして巣作りに使いやすく、ハムスターがかじったり食べたりもします。

吸水性はチップや紙より弱めなので、床全体に敷くより、巣箱の中やケージの一角に足す使い方のほうが扱いやすい素材です。
牧草は人のくしゃみや目のかゆみの原因になることもあるので、飼い主に心当たりがあれば別の素材を選びます。
体質・季節・においから選び分ける
同じ床材でも、ハムスターの様子と家の環境によって、合う・合わないが分かれます。
| こんなとき | 合いやすい床材 | ひと工夫 |
|---|---|---|
| くしゃみが増えた、鼻や目のまわりが気になる | 紙製 | 粉っぽい素材をやめ、続くなら動物病院へ |
| 穴掘りが大好き | 広葉樹のチップ | ケージの一角だけ深めに敷く |
| においが気になる | 吸水性の高い紙製、広葉樹のチップ | 汚れた部分をこまめに取り替える |
| 冬に寒そうにしている | 素材を問わず厚めに | 巣箱のまわりを多めにし、保温器具も考える |
| 夏に暑そうにしている | 素材を問わず薄めに | 部屋の温度管理を優先する |
| 飼い主に牧草アレルギーがある | 紙製、広葉樹のチップ | 牧草は使わない |
床材を別の素材に切り替えるときは、前の床材を少し混ぜて、においの変化をゆるやかにすると、ハムスターが落ち着きやすくなります。
床材を厚くしても寒さが追いつかない日は、ケージの床の3分の1〜半分だけをペット用ヒーターで温め、暑いときに離れられる場所を残します。
床材を替えても、くしゃみ・鼻水・目やにが続く場合は、床材以外の原因も考えられます。
様子を見すぎず、ハムスターなどの小動物を診てもらえる動物病院に相談してください。
厚さの目安と敷き方
床材の厚さに決まった正解はなく、季節とその子の掘り方に合わせて調整していきます。

厚さは季節と掘り方で変える
床材の厚さは、一般的に2〜5cm程度がひとつの目安として紹介されています。
寒い時期は保温のために多めに、暑い時期は少なめにと、季節で量を変えるのが基本です。
穴掘りが好きな子には、ケージの一角だけ10cm前後の深めの場所を作る飼い方もあります。
深く敷くと床材がケージの外にこぼれやすくなるので、ケージのタイプに合わせて、ワイヤーケージなら底のトレーの深さを、水槽や衣装ケースなら床材を受け止められる高さを確かめておきます。
敷き方の手順

掃除したあとのトレーやケースは、水気をしっかり拭き取ってから敷きます。
湿ったまま敷くと、カビやにおいの原因になります。
まずケージ全体に2〜3cmほど、むらなく広げます。
巣箱を置く角に床材を多めに足し、ふかふかの場所を作ります。
餌入れやトイレを置く場所は薄めにならし、器が傾かないようにします。
トイレには床材ではなく、トイレ用の砂を入れます。
巣箱の入口の近くに巣材を少量置き、巣の中へ運び込むのはハムスターに任せます。
給水器の飲み口が床材に埋もれていないかも、敷き終えたあとに確かめておきます。
1回に使う量を計算しておく
床材の袋の多くは、「◯L」という容量で中身が表示されています。
必要な量は、ケージの床面積に敷く厚さをかけると、おおよその見当がつきます。
| ケージの床面積 | 厚さ3cmで敷く場合 | 厚さ5cmで敷く場合 |
|---|---|---|
| 45×30cm(ドワーフ系の目安) | 約4L | 約7L |
| 60×45cm(ゴールデンの目安) | 約8L | 約14L |
たとえば45×30cmのケージに3cmの厚さで敷き、全体の入れ替えを月に2回行うと、それだけで月に約8Lを使い、ここに毎日の部分交換のぶんが加わります。
圧縮して袋詰めされた製品は、表示の容量が「ほぐしたあとの量」か「袋の中の量」かで実際に使える量が変わるので、パッケージの説明を確かめます。
交換の頻度と、全部は替えない理由
床材の掃除は、汚れたところだけを取り替える普段の掃除と、全体を入れ替える掃除の2段階に分けて考えます。

床材の掃除の目安
・おしっこで湿った部分や食べ残し:気づいたとき(できれば毎日)
・床材全体の入れ替え:1〜2週間に1回ほど(汚れやにおいの具合で調整)
・巣箱の中:汚れているときだけ、少しずつ
全体を入れ替えるときも、汚れていない床材をひとつかみ残し、新しい床材に混ぜておくと、自分のにおいが残って落ち着きやすいと言われます。
ハムスターには、巣箱の中や床材の下に餌をためこむ習性があります。
種やペレットのような乾いた餌はそのままでかまいませんが、野菜や果物などの傷みやすいものは、見つけたら取り除きます。
巣箱の中まで毎回すべて崩してしまうと、寝床を一から作り直すことになり、落ち着かなくなる子もいます。
掃除の日でも、巣の形はできるだけ残し、汚れた部分だけを入れ替えることが、床材の掃除でいちばん守りたい点です。



