体重で比べると、ペットのハムスターの中でいちばん小さいロボロフスキーは15〜30g前後、いちばん大きいゴールデンは85〜150g前後です。
同じ「ハムスター」という名前でも、重さにして5倍ほどの開きがあります。
ゴールデンはみかん1個くらい、ロボロフスキーは1円玉を20枚ほど手のひらに載せたくらいの重さだと思うと、差がつかみやすくなります。
この大きさの差は、見た目の好みだけの話では終わりません。
ケージの広さ、回し車の直径、手に乗せたときの扱いやすさが、品種ごとにはっきり変わってきます。
ペットショップで見かける6つの名前と、その正体
店頭のハムスターのケースには、たいてい品種名の札が付いています。

よく見かける名前は、ゴールデン・キンクマ・ジャンガリアン・キャンベル・ロボロフスキー・チャイニーズの6つです。
ただし、この6つはすべてが別々の種というわけではありません。
大型のゴールデンと、その毛色の一つであるキンクマ
ゴールデンハムスターは、ペットとして飼われるハムスターの中でもっとも大きい品種で、シリアンハムスターと呼ばれることもあります。
キンクマは、そのゴールデンハムスターの毛色の一つで、名前には「金色のクマ」から来たという説があります。
全身が明るい茶色〜クリーム色の毛で覆われた個体が「キンクマ」の名前で売られていて、体の大きさや飼い方はゴールデンと同じと考えて差し支えありません。
小型の「ドワーフ系」4種
残りの4つ、ジャンガリアン・キャンベル・ロボロフスキー・チャイニーズは、まとめてドワーフハムスター(小型のハムスター)と呼ばれます。
ジャンガリアンは国内でもっとも多く見かける小型の品種で、パールホワイトやプディングなど毛色の種類も豊富です。
キャンベルはジャンガリアンに近い仲間で、見た目がよく似ているため、店頭で見分けるのは難しいことがあります。
ドワーフ系の中でもさらに小さいのがロボロフスキーで、体重15〜30g前後という体は、ペットとして流通するハムスターの中で最小級と言われます。
チャイニーズは体が細長く、ほかのハムスターよりしっぽがはっきり長いのが特徴で、扱っている店は多くありません。
大きさ・性格・寿命の目安を6種類で比べる
体長や体重は、ドワーフ系4種どうしではそれほど差がなく、ゴールデンだけが飛び抜けて大きいという形になっています。

数字は一般に紹介されている目安で、同じ品種でもオスとメス、個体によって幅があります。
| 呼び名 | 体長の目安 | 体重の目安 | 性格の傾向 | 寿命の目安 | 店で見かける頻度 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゴールデン | 15〜20cm | 85〜150g前後 | 動きがゆったりで、人に慣れやすい個体が多い | 2〜3年前後 | 多い |
| キンクマ(ゴールデンの毛色) | ゴールデンと同じ | ゴールデンと同じ | 穏やかと紹介されることが多い(個体差あり) | 2〜3年前後 | 多い |
| ジャンガリアン | 7〜12cm | 30〜45g前後 | 慣れる個体が多いが、驚くと噛むこともある | 2〜3年前後 | とても多い |
| キャンベル | 7〜12cm | 30〜50g前後 | 気が強い個体が多いと言われる | 2〜3年前後 | ときどき |
| ロボロフスキー | 7〜10cm | 15〜30g前後 | 臆病で素早く、触れ合いより観賞向き | 2〜3年前後 | 多い |
| チャイニーズ | 8〜12cm | 30〜45g前後 | 神経質な面があるが、慣れると穏やかとされる | 2〜3年前後 | 少ない |
性格の傾向は、あくまで「その品種に多いと言われる傾向」です。
同じ品種でも、よく慣れる子もいれば、なかなか慣れない子もいます。
品種名だけで「この子は噛まない」「この子はなつく」と決めつけないようにしてください。
寿命はどの品種も2〜3年前後が目安として紹介されることが多く、品種による差より、飼育環境や個体差のほうが大きく出ます。
冬は15℃を下回らないようにする、週に1回体重を量る、といった長生きのための温度管理や体重の見方は、どの品種を選んでもほとんど変わりません。
大きさの違いが飼い方に響くところ
品種を選ぶときに見落とされやすいのが、体の大きさに合わせて用品のサイズも変わるという点です。

生体の値段は品種で大きく変わらなくても、用品の大きさと置き場所は品種でかなり変わります。
ケージの広さと回し車の直径
ケージの床面積は、ゴールデンなら60×45cm以上、ドワーフ系なら45×30cm以上がひとつの目安として紹介されています。
回し車は、走ったときに背中が反らない大きさが必要で、ゴールデンは直径21cm以上、ドワーフ系は直径15〜17cm以上がよく挙げられる目安です。
ゴールデンの場合、幅60cmを超えるケージを置ける台や床のスペースを、迎える前に確保できるかが最初の分かれ目になります。
ワイヤー・水槽・衣装ケースのどれにするかで通気・掃除の手間・かじられやすさが変わるため、ケージと回し車は、品種と置き場所が決まった時点で比べ始めるのがちょうどいい順番です。
手に乗せたときの扱いやすさ
ゴールデンは体が大きく動きもゆったりしているので、両手で包むように持ちやすい品種です。
ジャンガリアンは手のひらに収まる大きさで、慣れれば手に乗ってくれる個体も多くいます。
ロボロフスキーは体が小さいうえに動きがとても素早く、手から飛び降りたり、すき間に逃げ込んだりしやすいため、触れ合いを楽しむ品種とは言いにくい面があります。
どの品種でも、手に乗せるときは床に座って低い位置で扱うと、万が一落ちたときのけがを防げます。
同じケージで2匹以上飼えるか
ハムスターは基本的に1匹ずつ別のケージで飼う動物です。
ゴールデン(キンクマを含む)は縄張り意識が強く、大人になってから同じケージで飼うと激しいけんかになりやすいため、同居は避けるのが一般的です。
ロボロフスキーは複数で暮らせる場合があると言われますが、けんかが起きることもあり、初めて飼うなら1匹からのほうが安心して様子を見られます。
暮らし方と目的から選ぶ品種の分かれ道
どの品種が向くかは、「何を楽しみにしているか」と「部屋にどれだけ場所があるか」でおおよそ絞れます。

| こんな人 | 候補になりやすい品種 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 手に乗せたり、なでたりして触れ合いたい | ゴールデン、キンクマ | 大きなケージと回し車の置き場所が必要 |
| 部屋のスペースが限られている | ジャンガリアン | 小型でも45×30cm以上のケージは必要 |
| 見た目の毛色の違いを楽しみたい | ジャンガリアン、ゴールデン | 毛色の呼び名は店ごとに違うことがある |
| 走り回る姿を眺めて楽しみたい | ロボロフスキー | 触れ合いは難しい。脱走対策を念入りに |
| 少し珍しい品種を飼ってみたい | チャイニーズ、キャンベル | 扱う店が少ない。性格の傾向も確かめたい |
初めて飼う人には、入手しやすく情報も多いゴールデン(キンクマ)とジャンガリアンが候補に挙がることが多いです。
ゴールデンは体が大きく扱いやすい一方で場所を取り、ジャンガリアンは場所を取らない一方で動きが速く小さいぶん、扱いに少し慣れが要ります。
品種を絞るときの3つのメモ:
・ケージを置く場所の幅は60cm以上取れるか(取れればゴールデンも候補)
・触れ合いと観賞、どちらを楽しみにしているか
・家の中で、夜の回し車の音が気にならない部屋に置けるか
家族、特に子どもと一緒に飼う場合は、品種にかかわらず大人がお世話の中心になり、触れ合いは大人がそばについて床の近くで行うと、ハムスターにも子どもにも負担が少なくなります。
お店で品種名と状態を確かめるポイント
品種の目星がついたら、店頭では名前の札と、その子の様子をあわせて確かめます。

ケースに「ハムスター」とだけ書かれていて品種がわからないときは、店員さんに品種名とおおよその生後日数を聞いておくと、そのあと用品のサイズを選ぶときに迷いません。
店頭で見ておきたいところ
・目がぱっちり開いていて、目やにが付いていないか
・お尻のまわりの毛が濡れたり汚れたりしていないか
・毛並みにつやがあり、脱毛しているところがないか
・起きている時間に、ケースの中を元気に動いているか
値段は品種によって大きくは変わらず、1,000円台〜4,000円前後で見かけることが多いものの、店・時期・毛色によってかなり違います。
長毛のゴールデンやジャンガリアンの珍しい毛色は、ノーマルの毛色より高めに付けられている傾向があります。
生体の値段そのものより、ケージ・回し車・床材などの用品をそろえる費用のほうが大きくなることがほとんどで、必要なもの一式はドワーフ系でもおよそ1万〜2万7千円が目安です。
札に品種名が書かれていないときほど、先に品種を確かめてから用品を選ぶほうが、ケージや回し車の買い直しを避けられます。





