混合フードを餌入れに入れておくと、翌日にはひまわりの種ととうもろこしだけがなくなって、茶色いペレットがそっくり残っている。
ハムスターを飼い始めた家で、とてもよく起こる光景です。
ハムスターは好きなものから先に食べるので、中身がばらばらの餌ほど、食べるものに偏りが出やすくなります。
主食をペレットにするか混合フードにするかは、この「選り食い」をどう防ぐかで決まってきます。
ペレット・混合フード・おやつの違い
3つの違いは、どの粒を食べても栄養が同じかどうかと、カロリーの高さに集約されます。

| 比べるところ | ペレット | 混合フード | おやつ |
|---|---|---|---|
| 中身 | 原料を粉にして固めた、同じ粒 | ペレット・種・穀物・乾燥野菜などのミックス | 種・果物・乾燥野菜・加工したもの |
| 栄養の偏り | 起こりにくい | 選り食いで偏りやすい | 偏る(単品で栄養はそろわない) |
| カロリー | 製品ごとに一定 | 種や木の実が多いと高め | 高いものが多い |
| 食いつき | 製品によって差がある | よい | とてもよい |
| 向いている使い方 | 主食 | ペレットに慣れない子の主食・食事の変化 | 1日の量の1割程度まで |
ペレットの良いところ
混合フードで気をつけたいところ
混合フードは見た目がにぎやかで、ハムスターの食いつきもよい餌です。
ただし、ひまわりの種・ピーナッツ・とうもろこしなどの脂肪や糖質の多い粒から先に食べられやすく、肥満や栄養の偏りにつながることがあります。
動物病院の解説でも、主食はペレットとし、混合フードは選り食いで栄養が偏りやすいとして、すすめない考え方が見られます。
混合フードを使う場合も、中身の半分以上がペレットのものを選ぶと、偏りを抑えやすくなります。
ペレットの選び方
ペレットと一口に言っても、硬さ・粒の大きさ・成分は製品によってかなり違います。

選ぶときに確かめたいのは、歯に合う硬さ、体の大きさに合う粒、成分表示の3つです。
ハードタイプとソフトタイプ
ハードタイプは、ぎゅっと押し固めた硬い粒で、かじって削ることで前歯の伸びすぎを防ぐ助けになると言われます。
ソフトタイプは、ふんわり焼き上げたような軽い粒で、食いつきがよく、歯や顎の力が弱った子でも食べやすいのが特徴です。
一方で、ソフトタイプは製品によってはカロリーが高めのものもあり、量の目安は袋の表示で確かめます。
大人で元気な子はハードタイプを中心に、年を取って硬い粒を残すようになったらソフトタイプを混ぜる、という使い分けがよく紹介されています。
粒の大きさは品種で選ぶ
ゴールデンやキンクマには、両手で持ってかじれる大きめの粒が合います。
ジャンガリアンやロボロフスキーなどの小型の品種には、小さめの粒のほうが持ちやすく、頬袋にも入れやすくなります。
パッケージに「ゴールデン用」「ドワーフ用」と書かれた製品は、粒の大きさだけでなく、成分の配分も品種に合わせて変えていることがあります。
ゴールデンとドワーフ系では体の大きさに3倍前後の差があり、粒の大きさが合わないと食べにくさにつながります。
成分表示で見るところ
ペレットの袋の裏には、「保証成分」や「成分値」として、たんぱく質・脂肪・繊維などの割合が書かれています。
粗たんぱく質・粗脂肪・粗繊維・粗灰分・水分の割合が書かれているか。
原材料の最初のほうに何が書かれているか(多い順に並ぶのが一般的)。
1日の給与量の目安が、体重ごとに書かれているか。
賞味期限と、開封後の保存方法が書かれているか。
大人のハムスター向けの目安として、粗たんぱく質16%前後・粗脂肪5%前後・粗繊維12%前後を挙げる解説もあります。
製品ごとに数字はばらつくので、この目安から大きく外れていないかを見る、くらいの使い方で十分です。
脂肪の割合が高めの製品は、よく動く若い子にはよくても、運動量が減ったシニアの子では体重が増えやすくなることがあります。
シニアになって体重が気になりはじめたら、袋の成分表示を写真に撮っておき、健康診断のときに動物病院で見てもらうと、餌を変えるかどうか相談しやすくなります。
混合フードを主食にしているときの工夫
すでに混合フードで育っていて、ペレットだけにすると食べてくれない子もいます。

そのような子は、無理に一気に替えなくても、選り食いを起こしにくい与え方で偏りを小さくできます。
1つめは、餌入れが空になったら足すのではなく、決まった量を入れて、前日の残りを確かめてから入れ替えることです。
種だけを食べてペレットを残すなら、量が多すぎるサインなので、全体の量を少し減らします。
2つめは、混合フードの中から、ひまわりの種や木の実など脂肪の多い粒を取り分けておき、おやつとして別に与えることです。
こうすると、餌入れの中身がペレット中心になり、食べた量と栄養の量の差が小さくなります。
混合フードからペレットへ切り替える手順
餌の切り替えは、ある日突然すべてを替えると、まったく食べなくなる子がいます。

1〜2週間ほどかけて、新しい餌の割合を少しずつ増やしていきます。
最初の数日は、今の餌の4分の3に、新しいペレットを4分の1ほど混ぜます。
新しい粒を食べているかを、翌日の残りで確かめます。
新しい粒を食べているようなら、今の餌と新しいペレットを半分ずつにします。
新しい粒だけ残るときは、前の割合に戻して数日待ちます。
新しいペレットを4分の3、今の餌を4分の1にします。
体重が大きく減っていないかを量っておきます。
残さず食べ、体重も保てていれば、新しいペレットだけに切り替えます。
切り替えのあいだは、週に1回の体重測定を2〜3日に1回に増やすと、食べていない変化に早く気づけます。
体重が目に見えて減ってきたときや、丸1日ほとんど何も食べないときは、切り替えを中断して元の餌に戻し、動物病院に相談します。
切り替えたあとの1日の量も、体重の5〜10%を目安に計算するやり方で決めておくと、多すぎや少なすぎを防げます。
おやつの量と頻度
おやつは、1日の餌の量の1割程度までが目安です。

40gのジャンガリアンなら1日の餌が2〜4gなので、おやつは0.2〜0.4gほど、ひまわりの種なら2〜3粒でほぼいっぱいになります。
種類ごとの与え方の目安
おやつは、種類によって脂肪や糖分の多さが違うので、頻度を変えて与えます。
| おやつの種類 | 頻度の目安 | 与えるときの注意 |
|---|---|---|
| ひまわりの種・かぼちゃの種 | 1日2〜3粒まで | 脂肪が多いので、小型の品種はさらに控えめに |
| 生の果物 | 週に1〜2回、小さなかけら | 糖分と水分が多く、種と芯は取り除く |
| ドライフルーツ | たまに、ごく少量 | 糖分が凝縮されていて、砂糖をまぶしたものは避ける |
| 乾燥野菜・乾燥させた草 | 毎日少量なら与えやすい | 味付けされていないものを選ぶ |
| 小動物用の焼き菓子・ドロップ類 | 袋の表示の量を守り、たまに | 糖分の多いものもあり、ご褒美用に |
| 乾燥させた虫(ミルワームなど) | 週に数回、1〜2匹 | 脂肪が多く、食べ過ぎると太りやすい |
動物病院の解説でも、ひまわりの種は好んで食べる一方、与えすぎると肥満やカルシウム不足につながるおそれがあるとして、1日2〜3粒程度にとどめるよう案内されています。
人が食べるお菓子やパンは、塩分・糖分・油が多いので、少量でもおやつにはしません。
おやつを増やしすぎたときのサイン
ペレットを残す日が増えてきた、体重が少しずつ増え続けている、というときは、おやつが多すぎることがあります。
こうしたときは、おやつを2〜3日に1回に減らし、ペレットを食べる量が戻るかを見ます。
おやつが役に立つ場面
おやつは食事の楽しみだけでなく、毎日のお世話の道具としても使えます。

おやつは「何もない日にあげるもの」より、「お世話のたびに少しだけ使うもの」と考えると、量を増やさずに役立てられます。
体重を量るとき:はかりの上に置いた容器に種を1粒入れておくと、自分から入ってくれやすくなります。
掃除で別の容器に移すとき:移す先の容器におやつを置いておくと、追いかけ回さずに移ってもらえます。
手に慣らすとき:手のひらにおやつを1つ置いて、自分から近づいてくるのを待つ使い方は、手に慣らしていく5つの段階の4つめにあたります。
体調の確認:いつも喜ぶおやつに見向きもしない日は、体調の変化に気づくきっかけになります。
お世話で使ったおやつも、その日の1割の中に数えておくと、合計が増えすぎずに済みます。


