用品売り場の小動物コーナーには、見た目のよく似た「ハムスター用の砂」が何種類も並んでいます。
パッケージをよく見ると、トイレに入れる砂と、砂浴びに使う砂は、別の商品として売られています。
どちらも同じ砂に見えるので1袋で済ませたくなりますが、粒の細かさも、固まるかどうかも、使う目的も違います。
取り違えると、毛や目のまわりに砂が付いたり、口に入った砂が体に負担をかけたりするおそれがあります。
トイレの砂と砂浴びの砂は役割が違う
トイレの砂はおしっこを吸ってにおいを抑えるためのもので、砂浴びの砂は体をこすりつけて毛の汚れや脂を落とすためのものです。

| 比べるところ | トイレの砂 | 砂浴びの砂 |
|---|---|---|
| 目的 | おしっこを吸い、においを抑える | 毛の汚れや脂を落とす、遊ぶ |
| 粒 | やや粗め(紙や木の粒のものもある) | 細かく、さらさらしている |
| 固まるかどうか | 固まるタイプと固まらないタイプがある | 固まらない |
| 置き方 | 巣箱から離れた角に、体が入る大きさの容器で | 体ごと転がれる広さの容器で |
| 取り替え | 汚れた部分を毎日〜数日ごとに | 汚れてきたら全体を交換 |
砂浴びは、背中や体の横を砂にこすりつけて、毛並みを整える行動です。
よく砂浴びをする子もいれば、ほとんどしない子もいて、使い方には個体差があります。
トイレも同じで、すぐに決まった場所でするようになる子もいれば、なかなか場所が定まらない子もいます。
兼用しないほうがいい理由
いちばん避けたいのは、おしっこで固まるタイプのトイレ砂を、砂浴びに使うことです。
固まるトイレ砂で砂浴びをすると、毛や目、鼻のまわりに付いた砂が湿気で固まったり、口に入った砂がお腹の中で詰まったりするおそれがあります。
ハムスターは頬袋に物をためる習性があり、砂を頬袋に詰め込んでしまうこともあると言われます。
反対に、砂浴び用の砂をトイレに使うと、おしっこを吸っても固まらず、においも抑えにくくなります。
砂浴び場をそのままトイレとして使ってしまう子もいます。
その場合は、砂浴び場から離れた角にトイレを置き直し、砂浴び場の汚れた砂は早めに取り替えます。
トイレ用と砂浴び用は、容器も砂も別々に用意するのが基本です。
袋の「トイレ用」「砂浴び用」の表示を、買う前に一度確かめておくと取り違えを防げます。
トイレ砂の種類と選び方
ハムスター用のトイレ砂は、原料で大きく鉱物系・紙系・木や植物系の3つに分かれます。
鉱物系は固まりやすく、掃除が手早い
鉱物系の砂は、おしっこでしっかり固まるものが多く、固まった部分だけを取り除けばよいので経済的です。

一方で、口に入れるとお腹の中で詰まるおそれがあるため、砂をかじる・頬袋に入れる様子がある子では使うのを控えます。
重さがあり、燃えるゴミとして出せない地域もあります。
紙系は軽く、においを吸いやすい
紙系の砂は軽くて扱いやすく、おしっこのにおいを吸いやすいものが多い素材です。

固まらないタイプや、ゆるく固まるタイプがあり、汚れた部分をスプーンなどで少し多めにすくって取り替えます。
軽いぶん、掘って容器の外へ散らかしやすい点は、屋根付きや深さのある容器で補います。
木や植物系は、口に入っても詰まりにくいとされる
木のチップを固めたものや、おからなどの植物を原料にした砂は、口に入っても砂系や紙系よりお腹に詰まりにくいとされています。

湿ると崩れて粉っぽくなる製品もあるので、汚れた部分はこまめに取り替えます。
トイレ容器の大きさと形
容器は、ハムスターの体がすっぽり入って、中で向きを変えられる大きさを選びます。

ゴールデンなら大きめの容器、ドワーフ系なら小さめの容器が合います。
屋根付きや、ふちに高さのある容器は、掘ったときに砂が外へ飛び散るのを防いでくれます。
出入り口の段差が高すぎると入りにくいので、入口が低い作りのものが使いやすくなります。
トイレの覚えさせ方
ハムスターには、決まった場所でおしっこをする習性があり、その場所にトイレを置くのが覚えさせ方の基本です。

迎えて数日は、床材のどこが湿っているかを見て、よく使う場所を探します。
巣箱から離れた角であることが多くあります。
見つけた場所に、入口の低いトイレ容器を置きます。
おしっこの付いた床材を少しだけトイレの砂に混ぜて、ここがトイレだとにおいで伝えます。
トイレ以外でしたときは、その部分の床材を取ってトイレに移し、元の場所はきれいにします。
掃除では、固まった部分や汚れた部分だけを取り、においを少し残しておきます。
覚えるまでの期間は個体差が大きく、数日で使い始める子もいれば、何週間もかかる子もいます。
おしっこはトイレでしても、うんちはあちこちにするのはよくあることです。
ハムスターのうんちは乾いていてにおいも少ないので、見つけたときに取り除けば十分です。
何をしてもトイレを使わない子もいて、その場合は、おしっこで汚れた床材を気づいたときに取り替え、全体の入れ替えは1〜2週間に1回ほどという掃除に切り替えても問題ありません。
砂浴び場の作り方
砂浴び場は、ハムスターが体ごと寝転がって、背中や体の横をこすりつけられる広さがあれば十分です。

容器は、陶器やガラスなど重みがあって、ひっくり返りにくいものが使いやすくなります。
砂は、容器の底から2〜3cmほど入れておけば、体をこすりつけるには足ります。
砂はハムスター用や小動物用として売られている、細かくさらさらしたものを使います。
庭や公園の砂は、汚れや虫、菌が混じっているおそれがあるので使いません。
砂浴び場で用を足すことがあるので、汚れた部分や固まりは見つけたら取り除き、全体が汚れてきたら丸ごと入れ替えます。
モンゴルや中国北部の乾いた砂地に暮らしてきた種類だけあって、ロボロフスキーはとくに砂場をよく使うと言われます。
トイレや砂浴び場でよくある困りごと
トイレと砂浴び場を置いても、ハムスターが思ったとおりに使ってくれないことは珍しくありません。
どちらも、置いた場所に慣れてもらうより、ハムスターが使いたがる場所に合わせて置き直すほうがうまくいきます。
トイレの中で寝てしまう
トイレの容器は囲われていて狭いので、巣箱より落ち着ける場所だと感じて寝床にしてしまう子がいます。

巣箱が小さすぎたり、明るすぎたりしていないかを見直し、暗くて少し広めの巣箱に替える、巣材を足すといった工夫で、寝る場所が巣箱に戻ることがあります。
トイレの砂の上で寝ると毛が汚れやすいので、続くようならトイレの位置や形も変えてみます。
砂浴びをしない
砂浴びをほとんどしない子もいて、それだけで心配することはありません。
砂の粒が合わないこともあるので、別の種類の砂浴び用の砂に替えてみる方法もあります。
ただ、毛がべたついている、皮膚が赤い、毛が抜けているといった様子があるときは、砂浴びの問題ではないこともあります。
どこまで様子を見てよいかを毛・皮膚の症状の目安で確かめつつ、小動物を診てもらえる動物病院に相談してください。
砂を頬袋に入れる・食べてしまう
固まるタイプのトイレ砂を使っているなら、固まらないタイプや、植物系の砂に切り替えます。
頬袋が膨らんだまま戻らない、頬袋から何かが出てきているといった様子は、砂だけの問題ではないこともあります。
そうしたときは様子を見すぎず、早めに動物病院に相談します。





